Basics · 第8章 / 全8章
リレーの点検
テスタでコイルと接点を測る。コイル断線・レアショート・接点の導通不良と溶着。
この章を終えると
- テスタでコイル抵抗と接点の導通を測り、良否を判定する手順を説明できる
- 6種の不良(コイル断線・レアショート、a/b接点の導通不良・溶着)を測定結果から見分けられる
リレーの点検とは、回路計(テスタ)でコイルの抵抗と接点の導通を測り、リレーが良品か不良かを判定する作業である。 機械保全技能検定 電気系保全作業3級の課題2では、回路を組むだけでなく、使うリレーやタイマの良否を見分けることが求められる。
リレーの点検では、どこを何で測るのか?
測るのはコイルの抵抗と接点の導通の2か所で、道具は回路計(テスタ)である。 コイルは端子間の抵抗値、接点は無励磁のときと励磁したときの両方の導通を測る。
- コイル端子間の抵抗: 正常なら定格の抵抗値が出る。∞(導通なし)なら断線、定格より明らかに低ければレアショート。
- 接点の導通: 無励磁と励磁の両方で測り、a接点・b接点が正しく反転するかを見る。
a接点とb接点は、正常ならどう動くのか?
正常なリレーは、コイルを励磁するとa接点が閉じ、b接点が開く。 無励磁ではa接点が開・b接点が閉になる。この反転が測定どおりに起きるかどうかが判定の軸になる。
| 状態 | a接点 | b接点 |
|---|---|---|
| 無励磁 | 開(導通なし) | 閉(導通あり) |
| 励磁 | 閉(導通あり) | 開(導通なし) |
6種の不良は、測定結果でどう見分けるのか?
見分けの鍵は「測る場所」と「励磁状態」の組み合わせである。試験で問われる不良は次の6つで、それぞれ測定結果に特徴が出る。
| 不良 | 測定結果の特徴 |
|---|---|
| コイルの断線 | コイル抵抗が∞。励磁しても接点が動かない。 |
| コイルのレアショート | コイル抵抗が定格より低い。接点は正常に動く。 |
| a接点の導通不良 | 励磁してもa接点が閉じない(導通しない)。 |
| a接点の溶着 | 無励磁なのにa接点が閉じたまま(導通している)。 |
| b接点の導通不良 | 無励磁なのにb接点が閉じない(導通しない)。 |
| b接点の溶着 | 励磁してもb接点が開かない(閉じたまま)。 |
点検はどんな手順で進めるのか?
次の順で測ると、6種の不良をもれなく切り分けられる。
- コイル端子間の抵抗を測る(∞なら断線、定格より低すぎればレアショート)。
- 無励磁のまま、a接点とb接点の導通を測る。
- コイルを励磁し、同じa接点とb接点の導通をもう一度測る。
- 無励磁と励磁の変化を上の表と照合し、良否を判定する。
コイルは抵抗値で、接点は無励磁と励磁の両方の導通で判定する。とくに接点の導通不良は 無励磁だと正常品とそっくりなので、「必ず励磁状態でも測る」が鉄則です。
間違えやすいポイント
- 接点を励磁状態で測り忘れる: a接点の導通不良は無励磁だと正常品とそっくり。必ず励磁しても測る。
- レアショートの見落とし: 接点は正常に動くため、コイル抵抗を測らないと気づけない。
- a接点とb接点の向きを逆に覚える: 励磁でa接点が閉じ、b接点が開く。反対に判定すると溶着と導通不良を取り違える。
やってみる
読んだら、手を動かして確かめましょう。理解は「組んでみて」定着します。
たしかめクイズ
コイル端子間の抵抗を測ったら「∞(導通なし)」でした。何が考えられますか?
正解: コイルが切れていると抵抗は∞になります。このとき励磁しても接点は動きません。
惜しい: レアショートは抵抗が定格より低くなります。∞ではありません。
惜しい: 接点の不良はコイル端子間の抵抗には表れません。接点側を測って判断します。