Basics · 第4章 / 全8章
自己保持回路
起動・保持・停止。ボタンを離しても点いたままになる、いちばん大事な回路。
この章を終えると
- 自己保持が「自分の接点で自分のコイルへの通電を保つ仕組み」だと説明できる
- 起動ボタン・自己保持接点・停止ボタンの3つの役割を指させる
自己保持回路とは、起動ボタンを一瞬押すだけでリレーが動作し、手を離しても動作を保ち続け、 停止ボタンで復帰する回路である。リレー自身のa接点を起動ボタンと並列に入れることで、 自分の接点で自分のコイルへの通電を保つ。シーケンス制御でもっともよく使う基本回路である。
自己保持回路は何でできている?
自己保持回路は、起動・保持・停止の3つの要素でできている。この3つの役割をはっきり分けて 指させることが、回路を読む第一歩になる。
- 起動: 黒押しボタンのa接点。押すとリレーのコイルに通電し、リレーが動作する。
- 保持: リレー自身のa接点。起動ボタンと並列に入れておく。
- 停止: 黄押しボタンのb接点。通電経路の元に入れ、押すと経路を断つ。
起動と停止で接点はどう違う?
起動にはa接点、停止にはb接点を使う。無励磁のときの状態と、つなぎ方が逆になる点が要点である。
| 役割 | 使う接点 | ふだん(無励磁) | つなぎ方 |
|---|---|---|---|
| 起動 | a接点 | 開いている | コイルへ直列 |
| 保持 | リレーのa接点 | 開いている | 起動ボタンと並列 |
| 停止 | b接点 | 閉じている | 通電経路の元に直列 |
なぜ手を離しても点いたままなのか?
リレー自身のa接点が、起動ボタンと並列に通電経路を作り続けるからである。動作の流れは次のとおり。
- 黒ボタン(a接点)を押すと、コイルに通電してリレーが動作する。
- リレーが動作すると、保持用のa接点が閉じる。
- このa接点は黒ボタンと並列(同じ2点をまたぐ形)なので、手を離しても通電経路が残る。
これが「自己保持」である。ボタンではなく、自分の接点で自分のコイルへの通電を保っている。
白ランプ: 消灯 / リレーCR1: 停止中
どうやって停止する?
停止ボタンのb接点を開き、通電経路の元を断つことで止める。b接点はふだん閉じているが、 押すと開くので、経路の元が断たれてリレーが復帰し、保持が解けて消灯する。
よくある失敗
受験者がやりがちな誤りは次のとおり。
- 保持用にリレーのb接点を使ってしまう。保持はa接点。b接点だと動作した瞬間に開き、保持できない。
- 保持用のa接点を入れ忘れる(起動ボタンだけでコイルにつなぐ)。これだと手を離した瞬間に経路が切れて止まる。保持接点は起動ボタンと並列に入れる。
- 停止にa接点を使ってしまう。停止はb接点。a接点では押しても経路が断てず、止まらない。
自己保持の要は「リレー自身のa接点を、起動ボタンと並列に入れる」こと。 停止は経路の元にb接点を置いて断つ。この形を体で覚えると、応用回路が一気に読めます。
やってみる
読んだら、手を動かして確かめましょう。理解は「組んでみて」定着します。
たしかめクイズ
起動ボタンから手を離してもランプが点いたままなのは、なぜですか?
正解: これが自己保持です。動作したリレーの接点が、ボタンの代わりに通電を続けます。
惜しい: モメンタリのボタンは離せば戻ります。保持しているのはボタンではなくリレーの接点です。
惜しい: そういう性質はありません。回路の組み方(自己保持接点)で保持しています。