解説
課題2②の解き方 — 誤配線の見つけ方
闇雲に追わない。動作の食い違いから、疑う場所を絞る。
課題2②とは、回路図と試験用盤を突き合わせ、図のとおりに動かない原因(誤配線)を見つけて直す 課題である。自分が組んだ回路ではないぶん、探し方の順番を決めているかどうかで、かかる時間が 大きく変わる。実技試験は110分で2課題 (公式・試験要項)。 探索に時間を使い切らない段取りが要る。
なお「課題2②」という呼び分けは本サイトの整理であり、出題の詳しい形式は本サイトでは断定しない。 受検する年度の扱いは 公式サイト(試験問題) で確認してほしい。回路の原理そのものは 第3章 母線と電流の通り道と 第4章 自己保持回路で扱っているので、 この記事は探し方の手順と判断に絞る。
誤配線はどこから探せばよい?
いきなり配線を端から1本ずつ追わない。まず盤を操作して「期待どおりに動かない現象(症状)」を 取り、症状から疑うブロックを絞ってから、その範囲だけを図と突き合わせる。全数照合は最後の手段 である。
- 回路図とタイムチャートを読み、期待する動作を「押したらこうなる」と言葉にする。
- 実際に操作し、どこから食い違うかを見る。起動 → 保持 → 停止 → 時間変化の順に確かめる。
- 症状から、疑うブロックを1つに絞る(起動経路/保持経路/停止経路/出力/タイマ)。
- そのブロックの配線だけを、図と盤で1本ずつ照合する。
- 直したら、最初の操作から通しでもう一度動かす。
症状ごとに、どこを疑えばよい?
押しても動かなければ起動経路、離すと止まるなら保持経路、押しても止まらないなら停止経路を疑う。 症状と疑うブロックの対応は、次のとおり整理できる。
| 症状 | 疑うブロック | 最初に見るところ |
|---|---|---|
| 押しても何も起きない | 起動経路 | P母線 → 負荷 → N母線の通り道 |
| 押している間だけ動く | 保持経路 | 自己保持用a接点の2本 |
| 押しても止まらない | 停止経路 | 停止b接点を入れた位置 |
| 点くランプが違う | 出力の割付 | 端子番号の1つずれ |
| 時間で変化しない | タイマ経路 | 限時a接点/b接点の取り違え |
押しても起動しないときは?
コイルやランプまで電気が届いていない。負荷の両端がどの母線につながっているかを、先に確かめる。
- 負荷の片端がP母線側、他端がN母線側の経路につながっているか(第3章 母線と電流の通り道)。
- 起動ボタンのa接点を経由しているか。b接点側の端子に挿さっていないか。
- 経路の途中に、まだ動作していないリレーのa接点が余計に入っていないか。
押している間だけ点いて、離すと止まるときは?
自己保持がかかっていない。まず疑うのは、保持用a接点の2本のうちどちらかが抜けているか、 行き先を取り違えている場合である。
- 保持接点が、起動ボタンと同じ2点をまたいでいるか(並列になっているか)。
- 保持に使っているのがa接点か。b接点の端子に挿していないか。
- その接点が、保持したいリレー自身の接点か。別のリレーの接点になっていないか。
停止ボタンを押しても止まらないときは?
停止接点が通電経路を断てていない。接点の種類と、入れた位置の両方を疑う。
- 停止ボタンのb接点の端子に入っているか(a接点側に挿していないか)。
- 保持経路も含めて断てる位置(経路の元)にあるか。起動ボタンだけをまたぐ形だと保持が残る。
- 直列ではなく並列に入っていないか。並列だと迂回路が残り、押しても止まらない。
点くランプが違う・別の出力が動くときは?
配線としては成立しているが、行き先が1つずれている。原理ではなく端子番号の読み合わせの問題である。
- 図で、その出力につながる2つの端子番号を確認する。
- 盤側で同じ番号を指さし、隣の端子に挿さっていないか見る。
- 母線側が P・N のどちらにつながっているかを確かめる。
よくある失敗
- 症状を取らずに全数照合を始める。見つかる前に時間が尽きやすい。
- 見つけた誤り以外の配線も「きれいに」直す。手を入れるほど新しい誤りを作る危険が増える。
- 1箇所直しただけで終わりにする。通し確認をしないと、直したつもりの取り違えに気づけない。
- 確かめる前に配線を抜く。抜くと元の状態がわからなくなる。図と見比べてから外す。
- 症状を「なんとなく変」で済ませる。どの操作のどの瞬間から食い違うかまで言葉にする。
直したあとは何を確認する?
最初の操作から通しで動かし、期待動作と1つずつ突き合わせる。合格基準は 減点法で、41点以上の減点がなければ合格とされている。「動いた」で止めず「図のとおりか」まで戻すだけの価値がある。
修復すべき箇所の数や、課題ごとの具体的な指示については、本サイトでは断定しない。受検前に 公式サイト(試験問題)と 公式・試験要項で 最新の扱いを確認してほしい。
読んだら、手を動かす
実技は読むだけでは身につかない。同じ手順を、ブラウザの練習盤でそのまま試せる。