解説

課題1の解き方 — タイムチャートから回路を組む手順

チャートを見てから配線を終えるまでを、迷わない順番に分解する。

課題1とは、問題で与えられたタイムチャートどおりに動く有接点シーケンス回路を、 検定盤の機器を配線して組み立てる作業である。実技試験は110分・ 2課題で構成され、その一方が課題1にあたる。 ここでは原理ではなく、チャートを見てから配線を終えるまでの「順番」と「何を先に決めるか」を扱う。

課題1はどんな順番で進める?

課題1は「読む・決める・描く・配線する・確かめる」の5段階に分け、 前の段階を終えてから次に進む。段階をまたいで行き来しないほど、迷う時間を削りやすい。

  1. 読む — タイムチャートを日本語の文に直す。
  2. 決める — どの動作をどのリレー・タイマに担当させるかを番号で固定する。
  3. 描く — P母線からN母線までの通り道を、負荷ごとに紙へ描き切る。
  4. 配線する — 描いた図の行の順に結び、結んだ線に印を付ける。
  5. 確かめる — チャートの時刻順に、その瞬間の状態を照合する。

配線しながら考えると、途中で接点の割り当てが変わる。差し替えと確認漏れが同時に起きるので、 紙の上で回路を確定させてから手を動かす。

段階1: タイムチャートから何を紙に書き出す?

出力(ランプ)ごとに、点灯のきっかけと消灯のきっかけを1行ずつ書き出す。図のまま眺めない。

書き方は「白=黒ボタンで点灯/t1秒後に消灯」「黄=白の消灯と同時に点灯/t2秒後に消灯」のように、 短い文にする。文にできない段が残っていれば、そこはまだ読めていない箇所である。 チャートの縦横の読み方そのものは 第7章 タイムチャートの読み方にある。

段階2: 使う部品は何から決める?

出力から決める。ランプ → タイマ → 接点の順に、担当を番号で紙に固定していく。

  1. 出力(ランプ)1つにつき、その点灯を保ち続ける担当のリレーを1つ決め、番号で紙に固定する。
  2. 時間の要素を担当するタイマを決める。「t1秒後に消える」なら、その消灯を作るのはどのタイマかを番号で書く。
  3. 使う接点を a1・a2・b1 のように割り振り、一覧にしておく。
  • 担当表の例: CR1=白ランプの保持/T1=白の消灯タイミング/CR2=黄ランプの保持。
  • 接点表の例: CR1のa1=自己保持/CR1のa2=白ランプ/CR1のa3=T1のコイル。

1つのリレーで使える接点の数には限りがある。先に割り当てを書き出しておけば、 「後半で使える接点が残っていない」という手戻りを防ぎやすい。

段階3: 回路図はどこまで描いたら配線に移れる?

すべての負荷について、P母線からN母線までの通り道が1本ずつつながった状態まで描く。 途中に「たぶんここに接点が入る」という空白が残っているうちは、配線に移らない。

1つの負荷(リレーのコイル、タイマのコイル、ランプ)につき1行。描く順は、 ①起動と保持のコイル回路 → ②タイマのコイル回路 → ③ランプ回路がまとめやすい。 保持と停止の形は第4章 自己保持回路、 限時接点の入れ方は第6章 タイマとオンディレーで確認できる。

この段階で、停止を保持経路のどこに入れるかまで決め切る。ここが未決のまま配線を始めると、 動作は似ているのに停止のふるまいだけが違う回路になり、後から線を差し替えることになる。

段階4: 配線はどの順で結ぶ?

図の行の順に、1行を結び終えてから次の行へ移る。部品ごとに盤の上を飛び回らない。

  1. P母線・N母線へ落とす線を先にまとめて済ませる。
  2. リレーのコイル回路を、起動 → 保持 → 停止の順に結ぶ。
  3. タイマのコイルと限時接点を結ぶ。
  4. ランプの回路を結ぶ。

結んだ線は、そのつど図の該当箇所に印を付ける。印の付いていない線が残っていればそれが結び忘れ、 同じ箇所に印が二重に付いていれば結線の重複である。

段階5: 動作確認では何を見る?

チャートの時刻順に、その瞬間に何がONであるべきかを1つずつ照合する。点いたかどうかだけを見ない。

  1. 初期状態 — 何も操作していないとき、消えているべきものが消えているか。
  2. 起動直後 — 押した瞬間に点くべきものが点くか。
  3. 手を離した後 — 保持が要る出力が点いたまま続くか。
  4. 時間経過 — 指定の時刻で切り替わるか。
  5. 停止操作 — 初期状態に戻るか。
  6. 2回目 — もう一度起動して、同じ動きが再現するか。

2回目で崩れるとき、まず疑うのは停止のあとに復帰していないリレーやタイマである。 結線の付け忘れや接点の割り当て違いが原因のこともあるので、1回動いた時点で確認を終えない。

課題1でよくある失敗は?

多いのは、図を描かずに始める・接点の割り当てを決めずに使う・チャートの読み替えを飛ばす・ 結線に印を付けない、の4つである。

  • 図を描かずに配線を始め、どの接点を何に使ったか途中で分からなくなる。
  • 接点の割り当てを決めずに使い、最後の1行で使える接点が残っていない。
  • チャートの文への書き換えを飛ばし、消灯のきっかけだけ読み落とす。
  • 結線に印を付けずに進め、結び忘れと重複のどちらが起きたか切り分けられない。

この5段階は、順番を毎回同じにすることに意味がある。練習のうちから同じ並びで通しておけば、 当日は判断ではなく作業として進められる。なお採点や受検上の指示といった実施の詳細は本サイトでは断定しない。 公式・試験要項 で確認してほしい。本サイトは非公式の教材である。

読んだら、手を動かす

実技は読むだけでは身につかない。同じ手順を、ブラウザの練習盤でそのまま試せる。

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