解説

電気系保全作業3級 実技試験の全体像と当日の進め方

実技は110分・2課題。何がどの順で問われ、時間をどう配分するか。

電気系保全作業3級の実技試験とは、どんな試験か?

電気系保全作業3級の実技試験とは、制限時間110分のあいだに 2課題を解く試験である。合格基準は 減点法で、41点以上の減点がなければ合格とされている。つまり、満点を取りにいく試験ではなく、 大きな失点を作らずに終える試験である。

本サイトが試験時間・出題数・合格基準の根拠にしているのは公式の試験要項である。 受検料や当日の持ち物、集合時刻といった実務的な情報は年度によって変わりうるため、 公式の受検案内 で確認してほしい。本サイトは非公式教材である。

110分で出る2課題は、それぞれ何をするのか?

大きく分けると、課題1は「作る」課題、課題2は「調べて直す」課題である。作業の性質が違うので、 時間の減り方も違う。

課題 やること 時間の読みやすさ
課題1(組立) 与えられたタイムチャートどおりに動く有接点シーケンス回路を配線する 読みやすい。手順を体に入れれば、毎回ほぼ同じ時間で終わる
課題2(点検・修復) リレーやタイマの良否を判定し、指示どおりに動かない回路を正しい状態に戻す 読みにくい。不良の見つけ方しだいで大きく伸び縮みする

出題の詳しい形式は、受検する年度の公式の事前公開問題で確認してほしい。それぞれの具体的な解き方は 課題1の解き方課題2①の解き方課題2②の解き方 で個別に扱う。この記事は、全体の時間配分と当日の段取りに絞る。

110分の時間配分は、どう決めればいいか?

配分は当日ではなく、練習のうちに自分の実測値から決めておく。課題ごとの時間の割り振りについて 本サイトでは断定しないので、110分をどう割るかは次の手順で自分の値を出す。

  1. 練習で、課題1を組み終えるまでの実測時間を3回ぶん取る。いちばん遅かった回を自分の所要時間とする。
  2. 110分から、まず開始直後の読み込み(次の見出しで扱う5分)を抜く。 課題1の実測時間には、この読み込みを含めない。
  3. 残りから課題1の所要時間を引く。さらに最後の10〜15分を「見直し枠」として抜く。抜いた後が課題2の実働時間。
  4. 各区切りを、試験開始時刻を基準に「何時何分」の形で紙に書く。残り時間ではなく時刻で持つと、計算せずに判断できる。

他人の配分をそのまま借りないほうがよい。この手順で出るのは自分の実測値である。詰まる場所が違えば、 同じ配分でも同じようには進まない。

開始直後の5分で何をするか?

最初にやるのは配線ではなく、問題を最後まで読んで動作の条件を確定させることである。

  1. 問題文と図面を最後まで通して読む。課題2まで含めて全体量を把握する。
  2. 課題1のタイムチャートから「どの信号が、いつONになり、いつOFFになるか」を自分の言葉で言い切る。
  3. 必要なリレー・タイマの数と、自己保持が要るかどうかを決める。
  4. 先に決めた区切りの時刻を書き出す。

ここで動作条件を取り違えると、配線が全部終わってから作り直すことになりやすい。5分の読み込みは、 後半の作り直しを防ぐための投資である。チャートの読み取りに不安があるなら 第7章 タイムチャートの読み方を先に確認してほしい。

見直しにどれだけ残すか?

見直しは、あらかじめ抜いておいた10〜15分で行う。余った時間でやるものではなく、最初から 確保しておく工程として扱う。

見直しで探すのは新しい発見ではなく、決めたことと現物の食い違いである。次の4点だけを順に確認する。

  1. 配線が図のとおりか。
  2. 端子が緩んでいないか。
  3. タイマの設定値が指示どおりか。
  4. 動作を通しで再現できるか。

減点法では、どう立ち回るのが有利か?

減点法では、1か所を完璧に仕上げるより、未完成の部分を残さないほうが有利になりやすいと言える。 段取りの側でできるのは、両方の課題に着手できる形であらかじめ時間を区切っておくことである。

  • 詰まったら時刻で切る。決めた区切りを過ぎたら途中でも次へ移り、時間が余ったら戻る。
  • 凝った組み方をしない。条件を満たす素直な回路のほうが、確認も修正も速く済む。

どの作業が何点の減点になるかという内訳は、本サイトでは断定しない。採点の詳細や受検上の指示は、 公式の受検案内 で確認してほしい。配点の内訳を推測して優先順位を決めるより、2課題とも時間内に成立させることを 優先するほうがよい。落ち方の型と、それを練習で潰す手順は 実技で落ちる理由と、その防ぎ方で扱う。

当日の段取りで、時間を失うのはどこか?

時間を失うのは、時計を見ないまま課題1に没頭する、残り時間を頭の中で計算して手が止まる、 間違えたときに戻る手順を持っていない、の3か所である。どれも技術ではなく段取りの問題である。

  • 時計を見ないまま課題1に没頭し、課題2に入った時点で残り時間が足りない。決めた時刻を紙で持てば防ぎやすい。
  • 残り時間を頭の中で計算し、そのたびに手が止まる。時刻で持てば計算が要らない。
  • 練習でいつも一発で組めていたため、間違えたときに戻る手順を持っていない。練習のうちに、崩れた回路から戻る経験をしておく。

本番と同じ110分を、どう体験しておくか?

配分は紙の上で決めただけでは身につかない。110分を通しで走り、 決めた時刻どおりに動けるかを一度は確かめておく。

通しで練習するときに測るのは、正解できたかどうかだけではない。「どの区切りで何分ずれたか」を 記録する。ずれた場所が、次の練習で潰すべき場所である。

読んだら、手を動かす

実技は読むだけでは身につかない。同じ手順を、ブラウザの練習盤でそのまま試せる。

本番と同じ110分で通し模試をやる 課題一覧を見る

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