解説

実技で落ちる理由と、その防ぎ方

時間切れ・配線ミス・確認不足。落ち方には型がある。

実技で落ちる理由とは、知識が足りないことよりも、当日の進め方が崩れて作業を終えられないことである。 本サイトでは、その崩れ方を「時間切れ」「配線ミス」「確認不足」の3つの型に整理している。 公表された不合格原因の統計ではなく、練習の設計をしやすくするための本サイトの整理である。 型ごとに、なぜ起きるのかと、練習の段階で潰しておく手順をまとめる。

実技はどういう採点で不合格になる?

実技の合格基準は減点法で、41点以上の減点がなければ合格である。加点を積み上げる試験ではなく、 減点の材料を作らない試験だと考えるほうが実態に近い。実技試験は 110分で2課題という構成で行われる。

どの作業が何点の減点になるかという内訳は、本サイトでは断定しない。採点の詳細や受検上の指示は、 公式の受検案内 で確認してほしい。本サイトは非公式の教材であり、合格を保証するものではない。

落ち方にはどんな型がある?

本サイトでは、落ち方を時間切れ・配線ミス・確認不足の3つの型に分けて扱う。3つは独立ではなく、 時間切れが確認不足を生み、確認不足が配線ミスを見逃す、という連鎖で効いてくることが多い。

当日に起きること練習で潰しておく点
時間切れ片方の課題に手を付けられずに終わる手順を固定し、迷って止まる時間を減らす
配線ミス組んだ回路が意図どおりに動かない1本ごとに両端を確かめる進め方に変える
確認不足動かない原因に気づかないまま提出する確認を最後にまとめず、区切りごとに入れる

時間切れはなぜ起きる?

時間切れは、手が遅いことよりも、途中で迷って止まる時間が積み上がって起きることが多い。 配線そのものにかかる時間は練習で頭打ちになるが、迷う時間は手順を決めない限り減りにくい。

  1. 作業の順番をあらかじめ固定する。読む → 使う部品を決める → 配線する → 動かして確かめる、の並びを毎回変えない。
  2. 詰まったら、その場で粘らずに次の工程へ進む。戻ってくる前提で、未了の箇所を1つだけ覚えておく。
  3. 通し練習で所要時間を測り、伸びる工程を特定する。伸びる工程だけを部分練習で削る。

110分をどう割るかの決め方は 実技試験の全体像と当日の進め方で扱う。 決めた配分どおりに動けるかは、 110分の通し模試で一度測っておくとよい。

よくある失敗(時間切れ)

  • 1本の配線が通らないことに固執し、残りの工程に手が回らないまま終了する。
  • 組み終わってから配線図を最初から読み直し、二度手間になる。
  • 練習では毎回途中で中断しており、通しで最後までやり切った経験がない。

配線ミスはどこで生まれる?

配線ミスは、図を読み違えた瞬間よりも、「どこから、どこへ」を確かめずに手を動かした瞬間に生まれやすい。 1本を挿すたびに両端の端子を目で追う習慣があるかどうかで、当日の結果は大きく変わる。

  1. 配線する順番を決める。電源の母線側から始め、回路図の上から下へ1本ずつ進める。
  2. 1本ごとに、出発点の端子と到着点の端子を指で押さえて確認してから固定する。
  3. 部品1つ分(リレー1個、押しボタン1個など)を配線し終えたら、その部品まわりだけを図と照合する。
  4. 全体が終わってからではなく、部品ごとの区切りで動作を確かめる。

接点の役割や母線の考え方でつまずくなら、原理の側から潰したほうが早い。 a接点・b接点母線と配線の並べ方自己保持回路を先に確認してほしい。

よくある失敗(配線ミス)

  • 狙った端子の隣に挿したまま気づかず、経路が一周していない。
  • a接点を使うべき箇所にb接点を使い、動作が反転する。
  • N母線への戻り線を1本付け忘れ、その負荷だけ動かない。

締め付けや線の処理といった作業の丁寧さが採点でどう扱われるかは、本サイトでは断定しない。 最新の扱いは 公式の受検案内 で確認してほしい。

確認不足はどう防ぐ?

確認不足を防ぐ方法は、最後にまとめて確認するのをやめ、区切りごとに動かして確かめることである。 一括確認は、時間が残っていないときに真っ先に削られるため当てにできない。

動作確認で何を見るか(初期状態・起動直後・手を離した後・時間経過・停止操作・2回目)は 課題1の解き方の動作確認の節にまとめてある。 この記事で決めるのは、その確認を練習のどこに差し込むかである。

  1. 部品1つ分を配線し終えた区切りで、その範囲だけを動かす。全体が組み上がるまで待たない。
  2. 確認を工程の中に書き込み、作業の一部として時間を取る。
  3. 通し練習では、停止・復帰まで通してから終える。途中でやめない。

状態ごとの確認は、タイムチャートの読み方を身につけていれば機械的にできる。

よくある失敗(確認不足)

  • 起動だけ確かめて満足し、停止・復帰の確認をしていない。
  • 1つの状態しか試さず、他の状態で誤動作していることに気づかない。
  • 確認の時間を工程に入れておらず、残り時間で「余ったらやる」扱いにしている。

完璧を狙わないとはどういう意味?

減点法の試験では、1か所を完璧に仕上げることより、着手していない箇所を残さないほうが有利になりやすい。 片方の課題を作り込んで、もう片方に手を付けられないまま終わる形は避けたい。 当日の立ち回りそのものは 実技試験の全体像と当日の進め方にまとめてあるので、 この記事では、その立ち回りを練習でどう作るかに絞る。

  • 通し練習では、詰まっても止まらずに最後まで走り切る。いったん離れる判断を練習のうちに身につける。
  • 1回の通しにつき「手つかずの箇所ゼロ」を目標にする。精度を上げるのはその次でよい。
  • 見直しと片付けの時間を、練習のときから工程の中に確保しておく。

どの型も、当日に気をつけるだけでは防ぎにくい。手順を固定し、通しで測り、区切りごとに確認する。 練習でその形を作ることが、そのまま防止策になる。

読んだら、手を動かす

実技は読むだけでは身につかない。同じ手順を、ブラウザの練習盤でそのまま試せる。

本番と同じ110分で通し模試をやる

PR 受験に役立つ道具・教材