解説

実技でつまずく用語辞典(a接点・自己保持・限時接点ほか)

問題文と配線図に出る言葉を、短い定義でまとめて引く。

実技でつまずくとき、回路の難しさではなく言葉の意味が半分しか固まっていないことが原因になっている場合は少なくない。 ここでは実技の練習で出会う用語を、1〜2文の定義で引けるように並べた。 仕組みそのものは基礎テキスト(全8章・無料)が扱うので、深く知りたい語はリンク先へ進んでほしい。

リレーの部品と状態を指す用語は?

a接点・b接点・コイル・励磁・無励磁・モメンタリの6語である。 前の3つは部品そのもの、励磁と無励磁はいま電気が入っているかどうか、モメンタリは押しボタンの動き方を指す。

用語意味
a接点(メーク接点) a接点とは、動作していないとき開いていて、動作すると閉じる接点である。閉じる=メークするので、メーク接点とも呼ぶ。第2章
b接点(ブレーク接点) b接点とは、動作していないとき閉じていて、動作すると開く接点である。開く=ブレークするので、ブレーク接点とも呼ぶ。
コイル コイルとは、リレーやタイマの中で電磁石になる巻線である。ここに電圧がかかると、その器具の接点がまとめて切り替わる。
励磁 励磁とは、コイルに電圧がかかって動作している状態である。「動作中」「作動」とほぼ同じ意味で使う。
無励磁 無励磁とは、コイルに電圧がかかっておらず、接点が元の状態に戻っている状態である。配線図の接点は無励磁の状態で描かれる。
モメンタリ モメンタリとは、押している間だけ接点が切り替わり、離すと元に戻る押しボタンの方式である。離しても動作を続けさせたいときに自己保持が要る。

回路の動きを表す用語は?

自己保持・インターロック・限時接点・オンディレー・タイムチャートの5語である。 どれも「何をする回路か」を一言で言い切れるようにしておく。

用語意味
自己保持 自己保持とは、自分のa接点で自分のコイルへの通電を保ち続ける回路である。押しボタンから指を離しても動作が続く。第4章
インターロック インターロックとは、一方が動作している間はもう一方が動作できないように締め出す仕組みである。相手のb接点を自分の回路に直列に入れて作る。第5章
限時接点 限時接点とは、タイマのコイルに通電してから設定時間が過ぎたあとに切り替わる接点である。通電と同時には動かない。第6章
オンディレー オンディレーとは、通電を始めてから遅れて限時接点が動作し、通電をやめた瞬間に元へ戻る動作方式である。遅れがつくのは動き出し側だけである。
タイムチャート タイムチャートとは、押しボタン・リレー・ランプの状態を時間軸に沿って並べた図である。「何が、いつ変わるか」を読んで回路を決める。第7章

盤と配線まわりの用語は?

母線・負荷・短絡・導通の4語である。 盤の上で電気がどこを通るかを言い表す言葉で、ここを取り違えると配線そのものが成立しない。

用語意味
母線(P母線・N母線) 母線とは、回路全体に電気を供給する2本の給電線である。P母線がプラス側、N母線がマイナス側で、部品はこの2本の間につなぐ。本サイトの練習盤では盤の上下に横へ長く伸びている。第3章
負荷 負荷とは、電流を流して仕事をする部品である。ランプ、リレーのコイル、タイマのコイルが該当する。
短絡(ショート) 短絡とは、負荷を通さずにP母線とN母線が直接つながってしまった状態である。
導通 導通とは、2点の間に電流の通り道があることである。テスタで測って抵抗がほぼ0なら導通、∞なら導通なしと読む。

点検で答える不良の名前は?

コイルの断線・コイルのレアショート・a接点とb接点の導通不良・a接点とb接点の溶着の6つである。 どの読み値がどの不良に対応するか、測る順番も含めて第8章 リレーの点検にまとめてある。

用語意味
断線 断線とは、コイルの巻線が途中で切れて電流が流れなくなった不良である。
レアショート レアショートとは、コイルの巻線どうしが部分的に短絡し、コイル抵抗が定格より低くなった不良である。
溶着 溶着とは、接点がくっついたまま離れなくなり、切り替わらなくなった不良である。
導通不良 導通不良とは、閉じるはずの接点で電流が通らなくなった不良である。接点が動いていても、そこに通り道ができない。

混同しやすい用語は、どこが違うのか?

とくに混同しやすいのは、a接点とb接点、そして溶着と導通不良の2組である。 紛らわしい語は対にして、「違いはどこか」を一言で持っておくと取り違えが減る。

紛らわしい2語違いはどこか
a接点 / b接点無励磁のときの状態が逆。a接点は開、b接点は閉。
導通 / 短絡どちらも電気が通る。設計どおりの道なら導通、負荷を通さず母線どうしが通れば短絡。
溶着 / 導通不良溶着は「離れない」不良で常に導通、導通不良は「つながらない」不良で常に開。
断線 / レアショートどちらもコイルの不良。テスタの読みが∞なら断線、定格より低ければレアショート。
自己保持 / インターロック自己保持は自分の動作を続けさせる仕組み、インターロックは相手の動作を止める仕組み。

よくある失敗

  • a接点とメーク接点を別物だと思う: 呼び方が2通りあるだけで同じものである。b接点とブレーク接点も同じ。
  • 「励磁」と「動作中」を別の状態だと思う: どちらも同じ状態の言い換えである。問題文と参考書で語が入れ替わっても、指しているものは変わらない。
  • モメンタリなのに押しっぱなしを前提に考える: 指を離した後も動作が続くなら、自己保持が入っているはずだと読む。

図記号の読み方そのものや、テスタの読み値の解釈で起きる間違いは、 第2章第8章の「間違えやすいポイント」にまとめてある。

用語は覚えるより、引けるようにする

用語は暗記の対象ではなく、図と作業をつなぐ道具である。練習で言葉に詰まったらここへ戻り、定義を1文だけ確認して作業へ戻ればよい。

実技試験は110分で2課題、採点は減点法で、41点以上の減点がなければ合格という方式である。 ここで挙げた呼び方が問題文の表記とそろっているかは、本サイトでは断定しない。当日の要領も含め、最新の扱いは 公式の受検案内で確認してほしい。

読んだら、手を動かす

実技は読むだけでは身につかない。同じ手順を、ブラウザの練習盤でそのまま試せる。

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